サッカー支援活動

―女子サッカーの普及がカンボジアの未来を拓く―

NERCは、カンボジアの子どもたちにサッカーを通じて、サッカーの技術はもちろんのこと、健全な心身の発達、リスペクトの精神の育成、男女平等の意識、国際的視野の獲得を目指しています。

以前から、カンボジアではサッカーが人気スポーツです。しかし、貧しい子どもたち、特に農村部の子どもたちにとっては、グラウンドやゴール、ボール、ユニフォーム、シューズ、そして指導者などほとんどそろわない状態で、とりあえずはボールを蹴って楽しむという程度のものです。しかも、サッカーは男子のスポーツとされ、女子は見物するだけというのが一般的でした。

このような状況のなか、NERCでは、サッカーを通じて、子どもたちに夢を持ってもらおうと、以前から実施してきた基礎教育、情操教育や語学教育とともにサッカーを8年前からコンダル県の3つの村において、現地の青少年に対して地道にサッカー支援活動をしてきました。特に、2年前からは、女子サッカーの指導も行っており、女子チームを複数編成し、女子サッカーの普及にも務めています。

男女とも、子どもたちのサッカーに対する思いは強く、またサッカーをしている時の明るい表情は何よりもすばらしく、サッカーだけではなく勉学意欲の向上にもつながっていると感じています。

さらに、カンボジアではまだまだ女性の地位は低く、女性が社会で活躍することやスポーツをすることを良しとしない風潮があります。その現状を、古い慣習が色濃く残っている農村部で女子サッカーを普及させることの意味は、単に女子がサッカーをする、ということではなく、カンボジアの女性の地位向上、男女参画社会の実現の第一歩になると確信しています。

現在、大きなグラウンドがなく正式なサッカーフィールドは到底確保できず、フットサルコートの大きさも確保できないのが現状です。また指導者の指導レベルの低さとシューズの不足で、技術の向上が図れないという問題もあります。しかし、年に一回のサッカー大会において、子どもたちがチームの名誉と自分のプライドをかけて必死で戦っている姿は、非常に美しく感じます。

様々な課題はありますが、カンボジアの子どもたちの未来を、スポーツを通じて切り開いていくことができればとスタッフ一同頑張っています。
場所: コンダル県 チュティア村、プレイスワイ村、ルセイスロップ村
参加人数:約200名
チーム数:男子 8チーム
女子 7チーム